社団法人 日本精神科看護技術協会
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1.アルコール依存症とは
 長年の飲酒により脳の神経細胞に変化が起こり、飲酒量のコントロールが効かなくなり、その結果、身体的、精神的、社会的に破滅に至る病気です。
 個人差はありますが、1日につき清酒換算で3・4合以上のアルコールをほぼ毎日10年から15年以上続けた場合、この可能性があるといわれています。

2.アルコール依存症の診断
 アルコール依存症の診断は次の診断基準によってなされます。
1) 一般的な診断
  下記の4項目を認めた場合、アルコール依存症と診断されます。
1 アルコール耐性の増加傾向
   飲む量を増やしていかないと酔わなくなるなどがチェックポイントになります。
2 アルコ−ルに対する精神的な依存傾向
   家庭や職場で隠れてでも飲酒するなどがチェックポイントになります。
3 アルコ−ルに対する身体的な依存傾向
   急なアルコールの中断や減量した時に起こる、手指のふるえ、発汗、動悸、不眠などがチェックポイントになります。
4 家庭や社会での問題飲酒
2)ICD-10(WHOの診断基準)による診断
  過去1年間に、次の6項目の内、3項目以上が経験されるか、出現した時だけに
  アルコール依存症と診断されます。
1 飲酒への強い欲望または強迫感
2 飲酒開始のコントロールまたは飲酒終了のコントロールまたは飲酒量のコントロールが困難
3 アルコールを中止または減量したときの生理学的離脱状態。離脱症候群の出現や離脱症状を軽減するか避ける意図で飲酒することを証拠とする
  4 耐性の証拠
5 飲酒のために、他の楽しみや趣味を次第に無視するようになり、飲んでいる時間が多くなり、酔いが醒めるのに時間を要するようになる
6 明らかに有害な結果が起きているのに、アルコールを飲む。例えば、過度の飲酒による臓器障害、または大量飲酒による精神障害など。患者はその害の性質および大きさに実際に気づいていることを確定するように努める

3.アルコール関連社会問題とは
 アルコールという飲み物は、人種や性別、貴賤などとは無関係に、人類に平等に提供されてきました。
 下記のようなアルコ−ル関連社会問題は、飲酒した人だけでなく、周囲に「アルコ−ルの害」を撒き散らすことにより生じ、個人にとどまらず、夫婦に、家族に、職場に、地域社会に飲酒問題として登場します。最近は、ドメスティック・バイオレンス(DV)がマスコミでも報道されるようになってきています。
1 健康問題(アルコ−ルによる身体の病気、離脱症状、アルコ−ル精神病)
2 家族問題(夫婦喧嘩、夫婦不和、家族メンバーに対する暴言・暴力、児童虐待、AC形成、配偶者虐待、家出、別居、離婚)
3 職業問題(遅刻、短期ないし長期欠勤、生産性低下、職場不適、労働災害、失職)
4 経済問題(浪費、サラ金などの借金、生活保護対象)
5 刑事問題(飲酒運転事故、暴力事件、強盗、放火、殺人)
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